もう20年以上前のこと・・
中学卒業の日の事です。
卒業式を終えた私は、教室から出ると私の名前を呼ぶ声が直ぐに聞こえたのです。
隣のクラスから出てきたのは
いつも面白いことを言っては笑わせてくれる
にこにこ笑顔のショウジとお母さんでした。
ショウジが私にプレゼントだと言って渡してくれたのは
当時、私が好きだった
くまのプーさんが手描きで描かれているメッセージ入り色紙でした。
受け取るときに
隣に居たショウジのお母さんから…
『あなたが千春さんね。
ショウジね、ずっとあなたの事が好きだったのよ。
ありがとう。』 という言葉を頂いて・・
心の底から。
嬉しい気持ちでいっぱいになったのを、今でも思い出します。
その後、お互い違う高校へ行くことになるのですが
私は馴染めない高校を中退し、レストランのウエイトレスとして働きながら通信制の高校を卒業します。
いつものように
レストランで働いている最中のことでした。
》》ピピピッ
携帯が鳴るのを確認すると、ショウジからです。
不思議な気分でした。
電話をかけてくることなんて一度も無かったからです。
電話に出ると、
明らかにショウジとは違う男性の声でした。
『千春ちゃん?! 千春ちゃん?!』
様子がおかしいのが直ぐに伝わってきました。
次に発せられた言葉…
『ショウジね、死んだんだよ。
ショウジが死んだ。』
電話口の男性は義理のお兄さんでした。
信じたくありませんでした…
その前夜、
私は、久しぶりに来たショウジからのメールのやり取りをしていたからです。
夜中に首を吊り亡くなっていたと言います。
前夜に来たショウジからのメールは、とてもごく普通のものでした。
『久しぶり!元気?』
だけれど…
いつもの明るい性格のショウジとは、なんだか少し変だな、、という事は
メールだったけれど
不思議と伝わっていたのです。
私は、
今は働きながら学校へ通っていることを伝えると彼も高校を中退し働いていると言うのです。
だけれど、なんか楽しくないのだと…
詳しく説明することはなく
短文のやり取りが数回だけ続いただけで
夜が遅かったのでメールでお互い又ねとさよならしたのでした。
お通夜の日程など、直ぐに伝えてもらうことが出来たのだけれど
それと同時に心が痛いメールも届きました。
『千春ちゃんが憎いよ。』と…
義理のお兄さんです。
胸が、
張り裂けそうでした…
きっと、私がショウジとやり取りした
最後の人間だったのです。
そのことが伝わってくると同時に
引き止められなかった、自ら命を絶とうとしていた彼の気持ちを、、
気付いてあげられなかった自分自身を
凄く凄く、責めました。
あれから月日は流れ、、もうあっという間に20年です。
今でもショウジがくれた「最高の色紙」を大事にしています。
どうか皆さまに
千の春が訪れますように… 🌸
読んでくださって、ありがとうございました。